ダイエットでは食事・運動と同じくらい睡眠が大事、とは昔からよく言われていることですし、一時期「寝るだけダイエット」なんて減量方法も流行りました。
寝るだけで痩せるなんてどうせ嘘だろ?と疑いたくなりますが、実はあながち間違いでもなく、実際に睡眠時間が短いと子供で89%、大人で55%も肥満になる可能性が上がるとした研究もあります。
他にも睡眠不足と肥満の関係を調査した研究はあるので、次は寝るだけで痩せる理由について解説していきたいと思います。
睡眠不足が肥満につながる原因として「グレリン」と「レプチン」という2つのホルモンが関係していると考えられています。
グレリンは胃から作られるホルモンで、脳に「お腹が空いた!」という信号を送る、いわゆるデブホルモンです。
レプチンは脂肪から作られるホルモンで、脳に「お腹がいっぱいです!」という信号を送る、いわゆる痩せホルモンです。
十分に睡眠時間を確保できないと、グレリンの量をが増えてレプチンの量が減り、食欲が爆発する危険性があります。
実際に1000人以上の睡眠時間と肥満の関係を調査した研究では、
睡眠時間が短い人は長い人に比べて体内のグレリンレベルが高く、レプチンレベルが低いことが明らかになっています。
基礎代謝は運動をしなくてもいきているだけで消費されるカロリーのことで、身長・体重・年齢・性別・筋肉量によって変動します。
睡眠不足はこの基礎代謝量を低下させてしまうと考えられていて、さらに体重が落ちたとしても筋肉を落とす危険性があるとした研究もあります。
ダイエットで大切なのは「とにかく体重を落とすこと」ではなく、「筋肉を維持して体脂肪率を落とすこと」なので
寝ることは食事・運動と同じくらい大切というのがあながち間違いではないことが分かると思います。
ダイエットでは正しい生活習慣を継続することが必要で、そのためには強い意志や、誘惑に負けそうな自分を律するセルフコントロールが大切です。
その意思決定には脳の「前頭葉」が重要な役割をもつとされているのですが、睡眠不足では前頭葉の活動量が低下してしまうことが分かっています。
いくら痩せたいと願っても脳が正常に働いていなければ、「ラーメン」や「アイス」といったダイエットではNGな食品に手を出すなど、間違った判断をしてしまう可能性は高いといえます。
正しい判断をするためにも十分な睡眠時間を確保することは重要です。
ダイエットで睡眠が重要なことが分かってきたところで、次に知りたいのは「1日に何時間寝ればいいのか?」ですよね。
必要な睡眠時間は年齢によって異なると考えれられているので、下の一覧を参考にしてみてください。
10代:8~10時間
成人:7~9時間
高齢者:7~8時間
と言っても、これらはあくまで平均値で「ショートスリーパー」のように短い睡眠時間でも全く問題ないという人もいます。
ただこれは生まれつき持った遺伝が原因なので、努力でどうこうできる問題ではありません。
普通の人は7時間以上寝たほうがいいと頭に入れておきましょう。
7時間以上寝たほうがいいと言われても、「忙しくて寝る暇がない」という人や「眠りが浅くて疲れが取れない」という人もいるかと思います。
そんな人は睡眠の質を改善するようにしてみましょう。
同じ睡眠時間でも質が高まれば疲労の取れ方も変わってくるので、短い睡眠時間でも寝不足にならずに済むかもしれません。
そこで最後に、睡眠の質を改善して寝不足を解消する方法を紹介していこうと思います。
睡眠に問題を抱えている自覚がある人は参考にしてみてください。
1、睡眠時間は規則正しく
毎日同じ時間帯に寝ることは体内時計を調整するのに役立ちます。昼寝をしてもいいですが、極端に長い時間や夕方に寝るなど、夜の睡眠時間に悪影響を及ぼすようにしないよう注意しましょう。
2、寝る前はリラックスを心がける
就寝前位にリラックスすることは睡眠の質を高めるためにとても重要です。
心を落ち着かせる音楽を聴く・好きな匂いのアロマを焚く、シャワーや入浴、他にもヨガ・ストレッチ・マッサージなど、自分の好みに合うものを選ぶようにしましょう。
3、快適に寝れる環境を作る
寝室の環境も睡眠の質に影響を及ぼします。枕や布団・ベッドの硬さ、騒音、室内の温度など、人によって快適に感じるレベルは異なると思うので、自分に合った環境を作るようにしましょう。
4、お酒・タバコ・カフェインを控える
お酒やタバコは睡眠の質に悪影響を及ぼすことが分かっています。どうしてもやめられないという人は止めはしませんが、やめられるならやめたほうがいいとは思います。カフェインも夕方以降は控えるようにしたほうがいいでしょう。
5、寝る前のPC・スマホを我慢する
寝る前に横になるとついついスマホやPCをいじってしまうという人は少なくないでしょう。ですが、睡眠の質を下げるだけでなくネットに熱中して睡眠時間を削ってしまう人もいるので、電子機器は枕の近くに置かないことをオススメします。
6、日中をアクティブに過ごす
日光を浴びることは体内時計の調整に役立ちますし、ジョギングやジムでのトレーニングなど、適度な疲労感は寝つきを良くすることができるので、日中の活動量を増やすことを意識したほうがいいでしょう。
ただ寝る直前の運動は逆効果なので控えるようにしてください。
すでに説明したとおり、ダイエットで睡眠にはとても重要な役割があります。
「睡眠時間が足りてないかも」と感じている人は今回紹介した解消方法を実践してみてください。
寝るだけでも痩せる効果はある程度ありますが、さすがにそれだけでは不十分です。
寝るようにしたけどあまり痩せないという人は食事・運動習慣を見直すようにしましょう。