「何かを無性に食べたくなるのは、体が足りない栄養素を欲しがっていたり、体のどこかに不調を抱えているから」
「心と体が発している無意識のSOSだ」
こう言われることがあります。
具体的には
・〆のラーメンが食べたくなるのは「糖」「塩分不足」
・チョコレートを食べたくなるのはマグネシウム不足
・甘いものを食べたくなるのは、疲れている&ストレスが溜まっているから
などなど。
ですが、この説は本当の話なのでしょうか?
甘いもの・しょっぱいものが食べたいなら砂糖や塩も舐めたくなるはずですし、
ひじきや昆布のように、チョコレート以上にマグネシウムが豊富な食品はたくさんあります。
疲れているならまっすぐ帰って早く寝たほうがいいですし、
ストレスが溜まっているなら運動をして汗をかくのもいいでしょう。
このように他にも解決策があるのにも関わらず〝あえて〟ジャンキーな食品を選ぶということは別の理由があるからです。
今回は無性に甘いものが食べたくなる本当の理由について解説していきます。
どうしても甘いものが我慢できないという人は参考にしてみてください。
人間の脳には「報酬系」というシステムがあって、ドーパミンという快楽物質を分泌することで人間に快感を与えます。
そして、普通の食事でも適度に分泌されるのですが、ジャンクフードやお菓子を食べると大量のドーパミンが分泌されることが分かっています。
ジャンキーな食品以外にドーパミンを多量分泌するものとして「コカイン」が有名です。
コカインは強い多幸感・ハイな気分を味わうことができるので依存性が強い、とされていますが砂糖にも同じことが言えます。
つまり、無性に甘いものを食べたくなるのは心や体がSOSを発しているからではなく、
砂糖たっぷりのお菓子というドラッグに依存してしまっているからなのです。
ジャンクフードやお菓子を食べてドーパミンの大量分泌を繰り返すと次第に脳が快感に慣れ始めます。
そうなるとそれまでと同じレベルの快感を感じるためには、より多くのお菓子を食べる必要
があります。
「大量摂取→慣れる→さらに大量摂取→また慣れる」
これはお酒やタバコや、ドラッグにも共通した依存症までの流れです。
お菓子を食べれば食べるほど体は砂糖を欲しがるようになり、甘いものをやめたいと思うようになっても自分の意思ではやめられなくなっていきます。
禁断症状みたいなものですね。
好きだから食べているのではなく、砂糖依存症になっているのです。
しかも砂糖はお酒と違っていつでも口にすることができ、タバコと違って世間の風当たりが強いわけでもなく、ドラッグと違って合法で逮捕されることがありません。
食べるまでのハードルが極端に低く、一度依存症になると抜け出すのはなかなか難しいので注意が必要です。
甘いものがやめられなくなる砂糖依存症ですが、一番厄介なのは当の本人に砂糖依存症である自覚がないこと。
そこで今回は典型的な砂糖依存症の症状をまとめたので、自分に当てはまるかどうかチェックしてみてください。
1、食事を済ましたあとでも甘いものは別腹、とにかくデザートが食べたくなる
2、「少しだけ食べよう」とお菓子を一口つまみはじめると、気が付けば1袋食べきっていた
3、満腹になるまで食べないと満足できない
4、食べた後に罪悪感を感じても、またすぐに食べたくなる
5、「お菓子をやめようとしたけど挫折した」という経験が何回もある
6、お菓子を食べたことを周りに隠している
7、お菓子が体に悪い・やめなくちゃいけないと分かっていてもやめられない
8、お菓子を食べてもいい理由を考える
特に「チョコレートを食べたくなるのは、マグネシウム不足だから」
「甘いものを食べたくなるのは、疲れている&ストレスが溜まっているから」
といった具合に、自分が甘いものを食べても仕方がない・むしろ食べるべきだとする理由を考え始めていたら危険な兆候といえます。
今回紹介したチェックポイントに複数当てはまるという人は、砂糖に依存している可能性が極めて高いので要注意です。
残念ながら依存症の簡単な解決策はありません。
飲むだけで治る特効薬も存在しないんです。
なのでどうしても甘いものをやめたい場合は専門施設に足を運ぶことをオススメします。
精神科や心療内科でメンタルケアから始めるのもいいですし、パーソナルトレーニングで食事・運動管理から始めるのもいいでしょう。
一人で悩んでも依存症は良くなるどころか悪化するばかりです。
自分だけで直すのが難しいと感じている人は、一度最寄りの専門家を探してみるようにしましょう。