ダイエットを始めたいけど体を動かすのが苦手、という人向けの運動にストレッチが紹介されることがよくあります。
自宅で簡単にできるのに、海外セレブたちが取り入れるくらい効果のあるすごいダイエット方法として、多くの女性の支持を集めているようです。
確かに自宅で簡単にできてかつ痩せるのであればこれほど嬉しいことはありませんが、実際の効果はどうなんでしょうか?
今回はストレッチのダイエット効果について解説していきます。
これからダイエットを始めようと考えている、ダイエット目的でストレッチをしているという人は是非参考にしてみてください。
結論から言うと「ストレッチにダイエット効果はありません」
二の腕や太ももなど、気になる部位をいくら伸ばしたところで細くなることはないので注意が必要です。
体の脂肪が気になり引き締めたいと考えている人はストレッチではなく、食事管理と筋トレを組み合わせたベーシックなダイエットを始めるようにしましょう。
まずは一般的に期待されているストレッチのダイエット効果について解説していきたいと思います。
痩せやすい体質になるために必要不可欠な「基礎代謝」が、ストレッチをすることで上がると考えられています。
ですが、この説の信憑性は微妙です。
「40代が痩せなくなる本当の理由」でも解説しましたが、
基礎代謝が下がるのは体が硬くなるから、ではなく、筋肉量が低下するからです。
ストレッチをしたとしても筋肉量は増えないので、基礎代謝を上げることも難しいでしょう。
むしろ筋肉を維持できない分、時間が経つとともに基礎代謝量は下がっていきます。
脂肪がつきやすい体質の原因の一つに「血行不良」があるとされていますが
これもまた微妙です。
脂肪がつくのは単純に「食べ過ぎ」か「運動のしなさすぎ」か、もしくはその両方が原因で、
血の巡りは大した問題になりません。
実際に血流と脂肪燃焼の関係を調べた研究はありますが、特定の部位を運動によって血行を良くしたとしても、その部位のダイエット効果は豆粒程度でした。
著者も論文の中で、全身運動の方が消費カロリー多いので脂肪を減らしたいならまずそちらから始めた方がいい、と言ってしまっています。
ダイエット中の運動には大きく二つの役割があります。
一つ目は「体重を落とすために消費カロリーを増やすこと」
二つ目は「体脂肪率を落とすために筋肉を維持すること」
ストレッチに筋肉を維持する効果はないので、ダイエット中の役割は一つ目の「体重を落とすために消費カロリーを増やすこと」になるわけですが、ストレッチはジョギングなど他の有酸素運動と比べて消費カロリーがとても少ないので、ダイエット中の運動の役割を十分に果たすことができません。
ダイエットに関していえば、ストレッチはやる必要のない運動なんです。
すでに自分の目標体重に近いところまで痩せているというダイエット上級者が「できることならなんでもやる!」という精神でストレッチを始めるのはまだ分かりますが、
ダイエットに成功した経験がない、そもそもダイエットをしたことがない、という初心者の人が真っ先に始めるような運動ではありません。
今回はストレッチのダイエット効果について解説してきました。
ストレッチに対して否定的な意見が続きましたが、別に今現在ストレッチをしている人を否定したいわけではありません。
どんな運動でも毎日続けるのは素晴らしいことですし、ストレッチにはダイエットとは関係のない別のメリットがあります。
そのまま継続しても何も問題はないでしょう。
ですが、ストレッチがダイエットに不向きな運動であることは今一度強調しておきます。
そうしないと「ストレッチは効果的な方法だ」と思い込んだ人が、ストレッチを始めても痩せなかった場合、ダイエットに失敗したのは「私の生まれつき痩せない体質のせいだ」と自分を責めてしまうからです。
生まれつきの体質は人それぞれなので、痩せやすい人や太りやすい人は確かにいます。
ですが「痩せない体質の人」は存在しません。(もちろん特別な病気の人は除きますが)
やり方さえ間違えなけえれば痩せることはできます。
痩せなかったのはストレッチというダイエットに不向きな方法をたまたま選んだだけなので、自分の体を責める必要はないんです。
ストレッチはストレッチ、ダイエットはダイエットと別々で考えるようにしましょう。